株式や株式インデックスについて知っている人や投資をした経験を持つ人は多いと思いますが、IPO(Initial Public Offering)を行った会社の株式への投資方法である、IPO投資のメリットについて詳しく知っている人は多くないのではないでしょうか。
例えば、個別株への投資についてはリスクとリターンのどちらも高く、インデックス投資についてはリスクもリターンも低い、というイメージを持っている人が多いと思います。
それは決して間違いではありませんが、実は、IPO投資は両者の良い所取りができ、比較的高いリターンを低いリスクで得るメリットがある投資方法なのです。
ぜひ、IPO投資のメリットについて知っていただき、選択肢の一つにしていただきたいと思います。
目次
利益が出る理由
IPO投資では、上場前の株式を公募価格で購入し、その後初値や上場後の株価が上がったタイミングで売却することで、その差額を利益として獲得することを目指す投資です。
上記の通り、IPO投資をする際には、初値が公募価格を上回らなければ、儲けられないということをご理解いただけると思います。
ただし、上場ゴールという言葉もあるように、上場時の株価をピークとして、その後株価が下がり続ける会社もあります。
初値を含めて上場後の株価が必ず上がるとまでは断言できませんが、それでもIPO投資が利益を生む可能性の高い投資であることは間違いありません。
IPO投資のメリット
IPO投資の3つのメリットについて説明していきます。
メリット① 株価が上がる確率が高い
それでは、IPO企業の株価が、公募価格から上がる確率はどのくらいでしょうか。
IPO企業や証券会社は、上場を予定している株式を全て投資家に買い取ってもらいたいため、公募価格を低く抑えようとする傾向があります。
実は、公募価格が抑えられている分、実は、株価が公募価格を上回る可能性はかなり高いと言えるのです。
実際、例年、一年間に80~90社程度がIPOを行うのですが、そのうち8割くらいの会社で初値が公募価格を上回っています。
2020年には、東京証券取引所へIPOした93社の内、そのうち69社(74%)で初値が公募価格を上回りました。
メリット② 利回りが高い
初値が公募価格を上回った割合を騰落率と言い、高いほど初値が公募価格を上回ったことを示します。
2020年に最も騰落率が高かったAIソリューション事業を展開するヘッドウォータースでは、なんと1,090%を記録しています。
例えば、ヘッドウォータースの株式を10万円分購入し初値で売り抜けた場合、税や手数料を抜いて90万円の利益が得られた計算になります。
さらに、ニューラルポケットで467%、Branding Engineerで496%と、4倍以上の投資リターンを得られる銘柄が複数あることがわかります。
■初値騰落率ランキング(2020年)
順位 | 社名 | コード | 主幹事証券 | 騰落率 |
1 | ヘッドウォータース | 4011 | みずほ証券 | +1,090% |
2 | フィーチャ | 4052 | SMBC日興証券 | +806% |
3 | タスキ | 2987 | SBI証券 | +655% |
4 | Branding Engineer | 7352 | SBI証券 | +496% |
5 | ニューラルポケット | 4056 | みずほ証券 | +467% |
6 | アクシス | 4012 | SMBC日興証券 | +432% |
7 | インターファクトリー | 4057 | SMBC日興証券 | +429% |
8 | アースインフィニティ | 7692 | みずほ証券 | +428% |
9 | MITホールディングス | 4016 | SBI証券 | +420% |
上記のように、IPO株を公募価格で買うことさえ出来れば、高確率で利回りの高い投資ができることがわかります。
メリット③ リスクが低い
初値が公募価格を下回れば、当然ながら原本が割れ、損をしてしまうと考える人もいるかもしれません。
しかし、そんな場合でもリスクがそれほど高くないのはIPO投資のメリットです。
というのも、2020年にIPOを行った93社の内で、初値が公募価格を下回ったのは24社(26%)で、初値が公募価格を下回っている企業は比較的少ないです。
さらに、初値が公募価格を下回った企業の中でも、最も低かったリビングプラットフォームの初値は、公募価格のたったマイナス9%でしかありません。
このように、数百%のアップサイドと比較してリスクは比較的小さいことがわかると思います。
まとめ
以上のように、IPO投資は、IPO株の抽選にさえ当たれば利益率の高い投資であることは間違いありません。
IPO投資を始めるにあたっては、証券会社や銘柄の選定などをしっかり考える必要があります。このサイトで勉強してみてください。
・IPO企業の多くで、初値が公募価格を上回っている。
・騰落率は数百%になる場合が多い。
・仮に初値が公募価格を下回ったとしても、多くの場合で下げ幅が小さい
参考記事
IPOやIPO投資のはじめ方について、以下の記事も参考にしてみてください。
・初値や上場後の株価は、投資家から将来性が高いと見られている会社であれば高くなることが多いです。
・東京証券取引所で公開されている有価証券報告書を使って、業績等を確認してみてください。
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/