この記事では以下の悩みを解決します。
- IPO株を購入したけど売るタイミングがわからない
- IPO株の売り方にはどんな方法があるの?
短期的に利益を出しやすいIPO株ですが、購入後は適切な方法、タイミングで売らないと損をすることがあります。
この記事ではIPO株の売り方の基本である「初値売り」と一般の株式投資と同様の「セカンダリー」について解説をします。
それぞれの方法にメリット、デメリットがあるため最後までよんでぜひ参考にしてください。
目次
IPO株の売り方は2種類
IPO株の売り方には下記の2つがあります。
- 初値売り
- セカンダリー
初値が公募価格を上回る傾向にあるIPO株では、初値売りが一般的です。しかし状況によっては、初値をつけた後のセカンダリーが有効な場合もあります。
2種類の方法について順に解説します。
初値売り
初値でIPO株を売る方法です。多くの場合、IPO株の初値は公募価格を上回ります。そのためIPO株の投資は一般的に初値売りが用いられます。
価格.comの集計では、2021年1月1日から2021年6月23日に上場を果たした30社で騰落率の平均は122%です。また全30社で初値が公募価格を上回っています。
その他に2017年から2020年では初値が公募価格を上回った件数は平均で80%を超えており、IPO株は初値売りによって利益を得やすいことがわかります。
騰落率とは:公募価格に対する初値の割合で以下の計算で求められます。
騰落率 = (初値 – 公募価格)/初値
例)公募価格1,500円で初値が3,000円なら騰落率は100%となります。具体的な計算は下記です。
(3,000 – 1,500)/1,500 = 1 = 100%
セカンダリー
セカンダリーはIPO株が初値をつけ、株式が市場に公開されてからの取引です。すでに公開された株式のため抽選はなく、証券会社に口座があれば誰でも購入・売却ができます。
上場直後の企業の株価は値動きが激しく、予測が困難です。上手くいけば一瞬の大きな値動きを利用して、初値売り以上の利益を狙うこともできます。逆に初値がついてから価格が下落することも少なくないため、損失のリスクを含みます。
IPO株のセカンダリーは秒刻み・分刻みで激しい値動きが起こるため、投資初心者やチャートを見続ける時間のない方にはおすすめできません。
IPO株を初値売りするメリットとデメリット
IPO株の初値売りは以下のメリットとデメリットがあります。
<メリット>
- 短期で高い利益率
- チャートを見て一喜一憂しなくていい
<デメリット>
- 初値が公募価格を下回るリスク
- 価格が上昇する可能性がある
短期で高い利益率
IPO株は80%近くの企業で初値が公募価格を上回ります。騰落率が100%(公募価格の2倍
)を超えることも多く、短期的に大きな利益を狙えるのが初値売りの最大のメリットです。
「値段がつくタイミングで売りの注文を入れるだけ」なので投資初心者であっても簡単に取引が行えます。
証券会社によって注文ができるタイミングは違いますが、多くの場合は上場する日の早朝には成り行き注文で初値売りが行えます。
チャートを見て一喜一憂しなくていい
初値売りなら株価の値動きを確認する必要がありません。そのため値動きを気にして一喜一憂することがなくなります。
初値売りを行わないセカンダリーでは値動きが激しく、心が落ち着ちつきません。投資で大切なのは「感情的にならないこと」です。
特に投資初心者の方は精神的な負担を減らすためにも、初値売りをルール化してしまうのがおすすめです。
初値が公募価格を下回るリスク
多くの場合で初値売りで利益を得られるIPO株ですが、10〜20%の企業では初値が公募価格を下回っています。その要因にはブックビルディングや直近の経営状況などがあります。
利益率が高いといっても、投資である以上損失は発生するものです。初値売りであっても必ず利益になるとは限らないので気をつけましょう。
価格が上昇する可能性がある
IPO株は初値をつけた後も上昇を続けることがあります。そうすると実際に利益は得ていても、損をした気分になる方もいるのではないでしょうか。
たとえば公募価格2,000円、初値2,500円なら初値売りで500円の利益です。しかしその後3,000円まで値上がりするとどうでしょうか。「あの時売らなかったら1,000円の利益だったのに」「500円損した」と考える方もいると思います。
人間は得よりも損に目を向けてしまいがちで、この心理は「損失回避の法則」と呼ばれるものです。初値売り後の株価の上昇は、利益が出ていても損をした気分になるため精神的な負担になります。
まとめ
IPO株の売り方は初値売りが基本です。値動きの激しいセカンダリーに巻き込まれることがなく、短期で大きい利益を狙えます。
セカンダリーはより大きな利益を狙える一方で、値動きが激しいためリスクを伴います。投資初心者はIPO株を購入したら、初値売りがおすすめです。
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