IPOの仮条件とは?公募割れするIPOを見極めよう

IPO 対面証券

「IPO投資をしているが、公募割れしそうな銘柄は申し込みをなるべく避けたい」

IPO投資でこのような悩みをお持ちの方は、銘柄の仮条件と公募価格に注目してみましょう。
仮条件は公募価格を決めるための価格帯です。

結論から言うと、仮条件の下限で公募価格が決定した銘柄は公募割れする可能性が高いと言えます。

当記事では仮条件や公募価格決定の仕組み、IPO投資でリスクを抑えるための仮条件の活用方法をご紹介します。

IPOの仮条件について

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IPO投資をする方でも仮条件は、必要な資金量を把握するための数値程度にしか認識していないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは仮条件について、値幅の決まり方や公募価格の決まり方を解説していきます。

IPOの仮条件とは何か

仮条件は公募価格をいくらにするかを決めるための値幅を示します。
仮条件が1000円〜1200円となった場合、この値幅の中から公募価格が決定されます。

例として2021年7月に上場した銘柄の仮条件や公募価格を見てみましょう。

銘柄(コード) 仮条件 公募価格
AIメカニック(6227)  1900~1920円 1920円
サーキュレーション(7379) 1610~1810円 1810円
ランドネット(2991) 3680~3830円 3830円
アシロ(7378) 1120~1160円 1160円
ラキール(4074) 1300~ 1400円 1400円

AIメカニックのように20円しか値幅がない銘柄もあれば、サーキュレーションやランドネットのように200円程度値幅があるものもあります。

仮条件の範囲の中から公募価格が決定されますが、多くの銘柄は仮条件の値幅上限で決定されます。

仮条件の値幅はどのように決まるのか

仮条件の値幅はどのようにして決めるのでしょうか。

証券会社は、企業の経営者や銀行、機関投資家などにヒアリングを行い仮条件を決定します。
目論見書などの資料や、上場する企業の特徴や強み、成長性を参考にしつつ、銘柄をいくらで買いたいのかを聞き取って値幅を確定させます。

その結果として、仮条件が「1株 1000~1200円」という形で決定します。

仮条件を元に公募価格を決定する

仮条件が決まると、公募価格を決定するブックビルディングというフェーズに移ります。

投資家が仮条件の値幅において株式数と希望の価格を示し、申し込みを行います。
申し込み結果から得た需要を元に、上場予定企業と証券会社が公募価格の決定を行います。

私たちもブックビルディングに参加し、公募価格の決定を行うことが可能です。
証券会社の口座から申し込みが可能ですが、幹事証券でないとブックビルディングに参加できません。

例えばSBI証券から銘柄Aに申し込みをしたいところでしたが、SBI証券が銘柄Aの幹事証券ではない場合、SBI証券から申し込むことはできません。
このようなことを避けるためにも、証券口座は複数開設しておいた方が良いでしょう。

仮条件と公募価格から銘柄の人気度を予測する

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多くのIPO銘柄は公募価格よりも初値が高くなり、初値売りで利益を出すことが可能です。
しかし、稀に公募割れする銘柄も存在します。

ここでは公募割れする銘柄を避けるための仮条件の活用方法などを、過去データを踏まえながら解説していきます。

仮条件の下限で公募価格が決定するケース

ブックビルディングにおいて、仮条件の価格帯の中から希望の価格を示して申し込みを行います。

人気の銘柄であれば、「高くてもいいから絶対に買いたい。」と考える人が多くなるため、公募価格は仮条件の上限で決定されます。

一方で「この銘柄は事業内容も業績も大したことはない。一応申し込むができれば安く買いたい。」と考える人が多ければ、公募価格は仮条件の下限で決定されます。

つまり人気がない銘柄と評価され、公募割れのリスクが高まります。公募割れしないにしても初値売りで大きな利益を得るのが難しくなる場合がほとんどです。

公募価格が仮条件の下限になった銘柄は不人気

実際に仮条件の下限で公募価格が決定した銘柄の初値を見てみましょう。

銘柄(コード) 仮条件 公募価格 初値
ファンペップ(4881) 650~730円 650円 715円
松屋アールアンドディ(7317) 910~960円 910円 838円
Macbee Planet (7095) 1830~1990円 1830円 2348円
ヴィス(5071) 820~900円 820円 754円
フォーラムエンジニアリング(7088)  1310~1400円 1310円 1030円

上記は2020年上場のIPOですが、仮条件の下限で決定した5社中3社が公募割れを起こしています。
2015~2018年においては、仮条件の下限で決定した銘柄は全て公募割れしています。

かなりの確率で初値が公募割れを起こし、仮に当選しても損を出す可能性が高くなることがわかります。
申し込んで仮に当選しても、仮条件と公募価格次第では購入は辞退した方が良いでしょう。

まとめ

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今回は仮条件とその活用方法についてご紹介しました。
もしIPOに当選した場合は、公募価格が仮条件の下限になっていないかをしっかり確認しましょう。

もし下限になっていた場合は購入を辞退するのも一つの手です。
辞退の際はペナルティが発生する証券会社もあるので、複数の口座を作っておくことをおすすめします。

また、仮条件の上限で決定した銘柄でも公募割れを起こす可能性はあります。
仮条件だけを過信せずに、銘柄についてよく調べて最終的に判断するようにしていきましょう。

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