主幹事証券会社は未上場企業が上場するにあたって、上場するためのサポートを行います。
IPOの主幹事に対する考え方や、IPOの主幹事はどこなのかを知らずにIPOに申し込むと、当選確率を知らず知らずのうちに下げてしまっている可能性があります。
当記事では主幹事証券の役割や、IPOを申し込む際の主幹事証券に対する考え方を解説します。
IPOの当選確率を上げる方法にも繋がる内容ですので、IPO投資を狙う人はぜひご覧ください。
目次
主幹事証券とは?
主幹事証券は未上場企業が上場するにあたって、全面的にサポートを行う証券会社です。
未上場企業がIPOとして上場するには数年かかるため、上場の準備から上場後もサポートを行います。
主幹事証券の役割
主幹事証券会社の役割は主に以下の3つです。
長期間にわたってサポートを行うため、主幹事証券はIPOの割り当て数も多くなります。
主幹事証券を把握してIPO当選を狙う
IPOに申し込んで当選を狙うには、闇雲に申し込むのではなく主幹事証券を把握することが重要です。
主幹事証券はIPOの割り当て数が多くなる
主幹事証券は企業が上場するにあたって多くの役割を果たすため、その分IPOの割り当て数が多くなります。
つまり、個人投資家へのIPO当選数も多くなります。
主幹事証券から目当てのIPOを申し込んだ場合、主幹事以外の証券会社から申し込んだ場合と比べて当選確率が上がります。
例えば、2021年に上場したワンダープラネット(4199)は、主幹事が大和証券で割り当て数は以下のようになっています。
証券会社 | 割り当て数 | 割り当て率 |
大和証券(主幹事) | 199,100株 | 91.5% |
SBI証券 | 9,400株 | 4.32% |
野村証券 | 3,700株 | 1.7% |
楽天証券 | 1,800株 | 0.83% |
マネックス証券 | 1,800株 | 0.83% |
東海東京証券 | 900株 | 0.41% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 900株 | 0.41% |
主幹事証券の大和証券は全体の91.5%の割り当て数を占めていることがわかります。
他の証券会社から申し込むよりも何倍も当選しやすいと言えるでしょう。
IPOによっても変わりますが、主幹事証券は全体の70〜90%程度の割り当て数となることが多くなっています。
自分が開設している口座から適当に申し込むより、主幹事証券を把握した上で主幹事証券から申し込んだ方が当選確率は上がります。
また、主幹事になる証券会社は大方決まってるため、主幹事証券を担当することの多い証券会社は口座開設しておいた方が良いでしょう。
以下は2020年におけるIPOの主幹事を担当した回数が多い証券会社の一覧です。
証券会社 | 主幹事担当数 |
野村証券 | 22回 |
みずほ証券 | 21回 |
SMBC日興証券 | 16回 |
SBI証券 | 15回 |
大和証券 | 15回 |
野村証券、みずほ証券、SMBC日興証券は2020年以前にも、例年主幹事証券を担当する回数が多い証券会社です。
主幹事証券以外からも申し込みはした方が良い
主幹事証券会社の割り当て数は多くなっていますが、主幹事以外の証券会社の割り当て数も馬鹿にはできません。
主幹事以外でも、申し込めば当選するはずだった可能性を捨ててしまうのはもったいないので、可能な範囲で申し込みはした方が良いでしょう。
また、IPOの主幹事は基本的に大手の証券会社が務めることが多くなっています。
大手ということは口座開設数が多いため、IPOの抽選に申し込むライバルも増えるということになります。
特に人気の会社や、事業内容の期待が高い会社が上場する際は、主幹事証券から申し込む場合であってもかなりの倍率になることが予想されます。
可能であれば主幹事以外からも申し込んだ方が良いでしょう。
多くの証券会社から申し込みを行うデメリットは、「申し込みが増えるため手間がかかる」「事前入金が必要な場合や当選した場合の資金移動が面倒」といった点が挙げられます。
片っ端から申し込みを行うと、管理がしづらくなり当選を見逃してしまう可能性もあります。
事前入金が不要な会社、割り当て率が一定数以上、といった申し込む際の基準を決めるなどして、無理のない範囲で申し込むことで当選確率の上昇は期待できます。
まとめ
今回は主幹事証券会社についてご紹介しました。
IPOは年々人気が高くなってきており、それに伴ってただ申し込むだけでは当選も難しくなってきています。
主幹事証券を把握した上で、複数の証券会社から申し込むことが、当選確率を上げるために必要です。
野村証券、みずほ証券、SMBC日興証券といった、主幹事をよく担当している証券会社は口座を開設し、申し込みに備えておきましょう。
上場前
上場予定の企業が、上場における審査の基準をクリアするのをサポートする
⇨申請書類の作成指導や社内管理体制の整備指導、会社の資本制作の提案など
上場時
公開価格を決定等、上場における事務手続きを行う
⇨株式の引受、公開価格を決定、上場審査対応など
上場後
資金調達の助言や指導、上場後に会社から発表するIRの指導などをサポートする
⇨上場後の株価についても助言、指導など