【IPO投資勝率アップ】新規上場株の資金調達額と初値の関係

IPO 資金調達額 計算

IPO投資は「ローリスク・ハイリターン」の投資方法として多くの投資家から注目を集めている投資方法です。

ブックビルディングに応募して購入したIPO銘柄は初値での売却がおすすめされていますが、実はIPO銘柄の初値と密接に関係している重要指標が存在しているのです。

今回は、IPO投資のキーワード「資金調達額」についてご紹介していきます。

少しでもIPO投資の勝率を上げたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

株式会社はどのように資金調達をしているの?

IPO 資金調達額 計算

株式会社が資金調達をする方法は、大きく分けて「内部資金」と「外部資金」の2種類です。

IPO投資の場合、この中の「公募株式」で回収できる金額のことだけを「資金調達額」と呼びます。

内部資金による資金調達

内部資金とは「資本金」・「資本準備金」・「利益準備金」などのことを指し、これらの資金を切り崩すことで事業拡大や赤字の補填をおこないます。

新たに借り入れをおこなう必要がないため負担が少ない調達方法ですが、現金化する資産がないと実現不可能であるという点がデメリットです。

外部資金による資金調達

外部資金には「株式」と「債務」の2種類があり、一度に巨額の資金を回収しやすい一方で、それぞれ「配当」や「利子」のように費用が発生してしまうというリスクがあります。

株式を発行する資金調達
  • 公募株式…株式会社が新規で発行する株式のこと。株式を売却した金額は、企業が新規で得ることができる資金となり、IPO投資の「資金調達額」はこの公募株式のことを指す。
債務による資金調達
  • 社債…企業が発行する有価証券のこと。企業は社債を発行する代わりに、債権者に対して定められた「利息」を支払う。この利息は株式と異なり会社の利益に対応していない。
  • 金融機関からの借り入れ

資金調達額がIPO投資に与える影響

資金調達額がIPO投資に与える影響はとても大きいです。

IPO投資は初値で購入した銘柄を売却することが多いですが、その「初値」にも資金調達額が密接に関わっています。

ここでは、資金調達額がどのように新規上場株に関係しているのかをかんたんに説明していきます。

資金調達額が大きい企業は良い初値がつかないことがある

資金調達額が大きい企業は、大量の株式を発行することでできる限り多くの金額を回収しようとします。

投資家の数は変わらないため、株式が大量にあればあるほど1株に対する需要は減少傾向に。

それに対して、ブックビルディングでIPO銘柄を購入している投資家はIPO投資の定石である「初値」での株式売却をめざし、上場初日から大量に売り注文を出します。

需要に対して、供給分の売り注文が多くなり、結果として初値を低くつけてしまうこととなります。

新規上場株の評価方法は他にもさまざまあるため一概には言えませんが、資金調達額の大きい企業へのIPO投資は最初のうちは避けたほうがよいかもしれません。

また、資金調達額によく似た指標として「吸収金額」というものがあります。

「吸収金額」についてくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

IPO株 買い方

JASDAQや東証マザーズに上場する企業は資金調達額が少ない傾向にある

IPO銘柄が新規上場する株式市場は、東京証券取引所一部(東証一部)のほかにも東証マザーズやJASDAQなど数種類存在しており、それぞれに上場することができる基準が設けられています。

以下は、東証一部・二部・マザーズ・JASDAQの上場基準の一部を抜粋したものとなります。

市場 上場時の見込み株主数 流通株式数 時価総額
東証一部 2,200人以上 20,000単位以上 250億円以上
東証二部 800人以上 4,000単位以上 20億円以上
東証マザーズ 200人以上 2,000単位以上 10億円以上
JASDAQ 200人以上

東証一部に新規上場する企業と、JASDAQに新規上場する企業の規模が大きく異なっていることがわかりますね。

時価総額が大きくなるにつれて新規事業を始める際の資金調達額は増加していくため、東証一部に新規上場する企業は需要が分散することで初値が低くついてしまう可能性があります。

ブックビルディングに応募するIPO銘柄を迷っている場合は、東証マザーズやJASDAQに新規上場する銘柄を優先して選ぶようにしましょう。

なお、名古屋や札幌などにある地方市場も東証にくらべると条件が緩いですが、IPO投資の需要があつまりづらいため初心者にはあまりおすすめしていません。

まとめ

IPO 資金調達額 計算

今回は、IPO投資の重要指標である「資金調達額」についてご紹介しました。

今回のまとめ
  • 株式会社が資金調達をする方法は「内部資金」と「外部資金」の2パターン
  • IPO投資の場合、公募株式で回収可能な金額のことを「資金調達額」と呼ぶ
  • 資金調達額が大きい企業は需要が分散して良い初値がつかないことがある
  • JASDAQや東証マザーズに上場する企業は資金調達額が少ない傾向にある

IPO投資は勝率の高い投資方法として人気ですが、さまざまな角度から分析することでより精度の高い投資をしましょう。

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