投資家の間で、IPOが人気を集めています。投資初心者にもとっつきやすく、儲かる可能性がかなり高いので、抽選に何度も申し込んでいる人もいるのではないでしょうか。
IPOとセットで使われるのが、「初値」という言葉。「この銘柄は初値が期待できる!」なんてネット記事やYouTubeでおすすめされることもありますね。
本記事では、IPOの初値をテーマにお話ししていきます。
・IPOの初値とは何を意味するのか
・IPOを初値で売るべきなのか
このあたりを説明していきます。
目次
IPOの初値とは?
IPOの初値と公募価格
まずは言葉の意味から。
IPOには「初値」と「公募価格」という似た意味の言葉があり、混乱している人が多いです。これらの言葉の意味をお話しします。
初値というのは、文字通りで、初めてついた値段のことです。
IPOで上場したときに、一番初めについた株価のことを初値と呼んでいます。
なので、「初値が期待できる!」という時は、この一番最初の株価が高い株価で始まる可能性が高いという意味です。
後述しますが、初値はあらかじめ決まっているものではなく、企業の内容や投資家からの人気度によって異なります。簡単にいうと、人気が高い銘柄は初値が高くなる傾向にあり、人気がない銘柄は初値が低くなります。
初値が高いほど投資家は儲かりますので、IPOの抽選に申し込む際は、事前の予想を参考にしながら投資を行うわけですね。
一方の公募価格というのは、企業が株式を売り出す時の価格。
企業は上場する前に、1株あたりの値段を決定させます。
投資家は、企業が決めた公募価格でIPO株を買うことになるわけですね。
例えば公募価格が1500円で100株購入できる場合、投資家が払うお金は1500✖️100
=150,000円となります。
当選してIPO株を買った投資家からすると、初値が公募価格を上回れば利益になり、下回れば損をするということ。初値が公募価格よりも上であればあるほど利益になります。
ちなみに、初値が公募価格を下回ることを、公募割れと言います。
IPOの初値はどう決まる?
IPOの初値の決まり方は、需要と供給の関係で決まります。
需給で決まるのは、IPOに限った話ではなく、株式全てに当てはまることですが。
株式市場が開くのは午前9時からですが、注文自体は8時から可能で、上場日の8時~9時の注文状況によって変わってきます。
ざっくり説明すると、買いたい人が売りたい人より多ければ初値は上がり、売りたい人が買いたい人より多ければ初値は下がるという感じ。
買いたい人と売りたい人の条件(株価)がマッチした値段が初値となります。
またIPOには、値幅制限という規制が設けられています。
値幅制限は、「IPOの初値は公募価格の0.75倍~2.3倍の間で決まらないといけない」という規制です。
急な株価の変動を避けるためのものですね。
もし需要が多すぎたり少なすぎたりして、値幅制限内で初値が決まらなさそうな時は、初値はつきません。取引が一時的に中止されます。この状態を特別気配と言います。
なので、初値が午前9時ぴったりに決まらないことも。
最近のIPOを見ていると、お昼ころに初値がつくことが多い印象です。
人気IPO銘柄は初値がつくまで時間がかかる
参考までにお伝えしておくと、人気IPO銘柄ほど初値がつくまでに時間がかかります。
買いたい人(需要)が多すぎて、なかなか初値が決まらないということ。
事前評価が高いと、9時ぴったりに初値がつくことはほぼないですね。
午後になることもありますし、長いときは上場日に値段がつかないことだってあり得ます。
IPOに当選したら「早く初値がついてほしい!」と思うかもしれませんが、初値がつくまでに時間がかかるほど、初値は上がりやすいですよ。
気長に待ちましょう。
IPOは初値売りすべきか
IPOの初値売りとは?
IPOの初値について理解できたところで、IPO株を売却して利益を出す方法にも触れておきます。
IPOに当選したら、多くの人は初値売りという方法で売却をします。
そのままの意味で、初値で売ることです。
初値で売るためには、初値がつくまでのタイミングで成行注文を出しておけばOK。成行というのは値段を指定しない売却方法で、最初についた株価で売ることができます。
初値がつく時間は銘柄によって違うため、朝8時~9時の間に成行注文を出しておけば確実ですね。
IPOは初値売りすると勝率が高い
「IPOを初値売りするべきか?」という議論がよくありますが、結果論であって事前に判断することはできません。
ですが、IPOで初値売りをするとかなりの確率で利益が出ることは事実です。
2020年末~2021年前半の期間で調べてみると、49社連続で初値が公募価格を上回っています。銘柄によって利益の幅は違いますが、少なくとも初値売りをしている人は全員が利益になっています。
また、仕事をしている人は株価の動きを頻繁にみることはできないので、初値売りをしてしまった方が時間的にも精神的にも楽かもしれませんね。
ということで、IPOの初値をテーマにお話ししてきました。読んでいただきありがとうございました。
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