【投資初心者向け】IPOと上場の違いは？【メリットも解説】

最近は若い人でも、投資に興味を持つ人が増えてきていますね。ですが、学校で投資について教わる機会も皆無だったので、ハードルが高いと感じている人も多いかもしれません。

特に難しいのは、専門用語がたくさんあることではないでしょうか。

本記事では、投資初心者が絶対に覚えておくべき言葉について説明していきます。

それが「IPO」です。

聞いたことがあるかもしれませんね。セットで使われる言葉に「上場」というのもあり、混乱している人が多い印象です。

・IPO、上場について
・企業がIPOをする理由

このあたりをお話ししていきます。

上場とIPOの違いはなし

上場（＝IPO）とは？

「IPO」というのは、「未上場企業が、自社の株式を取引所に登録し、誰でも買える状態にすること」を指します。

参考までに、英語は「Initial Public Offering」の略です。これは覚えなくてもいいと思いますが。

株式会社は株を発行して資金を調達しますが、私たちは全ての企業の株を買えるわけではありません。というより、ほとんどの企業の株は買うことができません。

一般の人が買えるのは、取引所に登録されている企業の株だけ。

そして、取引所に登録して株を誰でも買えるようにすることを「上場」と言います。

なので、IPOと上場は同じ意味で使われています。違いはないので、混乱する必要はなし。

よく「一部上場企業が～」と聞くかもしれませんが、これは東証一部という取引所に株式が登録されているということ。

東証1部は日本で一番格式が高い取引所で、登録されている企業は大企業がほとんど。なので、一部上場企業に勤めていると言うと、ある程度の収入や社会的地位があるイメージになります。

再上場という場合もある

細かいところですが、１つだけ注意点があります。

IPOというと、「新規上場」と日本語訳されることがあります。新しく株式を上場させることなので、基本的には正しいです。

ですが、例外的に再上場というケースがあります。

一度上場していたけど、なんらかの理由で上場を廃止し、再度上場をする場合です。過去には、すかいらーくやJALなんかが再上場をしています。

この場合、一度上場をしているので、厳密には新規上場とは言いません。

ですが、再上場の場合もIPOという言葉は使われるので、そこだけは注意してください。

なぜ企業は上場（＝IPO）をするのか

上場することのメリット

IPOの内容を理解できたところで、「企業がなぜIPO（上場）をするのか」についてお伝えしていきます。

投資をするしないに関わらず、一般常識としても知っておくべきことだと思いますので、覚えておいてください。

まずは企業が上場することのメリットから。

以下の３点です。

①企業の信用力・知名度が格段に上がる
②資金調達がしやすくなり、事業拡大につながる
③優秀な人材を確保することができ、企業としての価値が向上する

①については、最も大きなメリットと言えるかもしれません。

取引上に上場をするのは簡単ではありません。どの企業でも上場できるわけではなく、厳しい審査が必要になります。経営が安定しているか、ガバナンスに問題はないか、など。

こういう審査を通り抜けていることで、ある程度〝ちゃんとした企業〟であることが保証されます。

取引相手も安心ですし、知名度が上がることで企業のブランド力が上がって売り上げにつながる可能性もあり。

上場することを１つの目的として経営をしている未上場企業はたくさんあります。

②についても大きなメリットですね。

株を誰でも買うことができるようになれば、それだけ資金調達をすることが容易になります。

そもそも、株式は資金調達の手段ですので、投資家がたくさん集まればそれだけ資金が集まります。資金が集まれば事業を拡大することも可能になりますね。

また、銀行からの信用力も上がって、融資を受けやすくなることもメリットです。

③について。

①とも関連しますが、信用力・知名度がある企業には優秀な人材が集まりやすいです。

「給料が高い」「福利厚生が充実している」「社会的な地位向上」こんなイメージがあるため、上場企業に入社したいという人はたくさんいるのではないでしょうか。

上場していれば良い企業というわけでもありませんが、先ほどのようにある程度〝ちゃんとして企業〟ではあるので、働く側としても選ぶ基準になります。

上場することのデメリット

上場はメリットが大きいですが、デメリットもあります。デメリットを避けるために、大企業であっても、あえて上場をしないという企業もあるんです。

デメリットは以下。

①経営の自由度がなくなる
②コストがかかる

①について。

上場をすると、自由に経営をすることが難しくなります。

株主が納得のいくような経営をしなくてはいけないので、社長や幹部が好き勝手できるわけではなくなります。

②について。

上場をすると、企業の情報を開示したり、取引所に上場維持費用を払ったりする必要があります。時間もコストもかかってしまうので、これを負担に感じている未上場企業も多いみたいですね。

以上、IPO（＝上場）についてのお話でした。読んでいただきありがとうございました。