毎年年末にかけて投資市場を賑わせる「IPOラッシュ」。
新規上場株を狙って投資をしている方にとって年末は勝負の時期になりますが、実はIPOラッシュ時の相場の動きは、通常時の動きと少し違うんです。
この記事では、IPOラッシュ時の相場の動きを分析しながら、どのように投資に臨むのがおすすめかを説明していきます。
「IPOラッシュ時の投資で利益を出せるか不安…」
「IPOラッシュ時の当選確率について知りたい」
そんな方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
IPOラッシュとは
IPOラッシュとは、一度に多くの会社が株式の新規公開をしている状況のことをいいます。
日本の場合決算期が12月と3月に集中していて、決算後に新規上場の手続きを取ると新規株式公開が9月から12月の間になることが多いです。
なお、新規上場は好景気のタイミングでも行われることが多いので、1月から8月の間にIPOラッシュが発生することもあります。
直近だと、2021年6月に20社以上が新規株式公開をするIPOラッシュが発生しています。
IPOラッシュ時の株価について
さきほど、IPOラッシュが発生するのは年末か好景気のタイミングが多いと説明しました。
好景気の時は、株価もつられて上昇する傾向にありますが、中には公募割れを起こす場合もあります。
ここでは、IPOラッシュ時の株価がどのように動くかを分析していきます。
株価が上昇する場合
大前提として、IPO銘柄は非常に勝率が高いです。
抽選に当選してから公募価格で購入し初値で売却するプライマリー投資の勝率は8割程度と言われており、それが理由で投資家からの期待も高く、上場から株価が上昇することがほとんどな状況です。
さらに先の説明であったように、IPOラッシュは好景気のタイミングもしくは不景気から回復したタイミングで発生することもあり、そのような場合は相場の後押しもあってさらに株価が上昇しやすくなっています。
株価が下落する場合
IPO銘柄は上場後株価が上がることが多いとさきほど説明しましたが、IPOラッシュ時には株価が下落する可能性も想定していなければなりません。
IPO銘柄の株価が下落する可能性があるのは次の場合です。
①と②に関しては、IPOラッシュ時でなくても想定しておくべきリスクです。
例えば、2020年はコロナ禍で世界的に経済が停滞していた影響を受けて、新規上場をした93社のうち23社が公募割れを起こしています。
さらに、初めての緊急事態宣言が発令されていた同年3月は、新規上場をした24社のうちなんと17社が公募割れを起こし、4月に上場予定だった15社のうち14社が上場を中止しています。
③については、IPOラッシュ時特有のシチュエーションです。
公募価格は投資家のブックビルディングにより決定しますが、上場後の株価は需給バランスによって変動します。
IPO銘柄が増えれば増えるほど、需要が分散されるため、その分株価は上がりづらくなってしまいます。
IPOラッシュ時の投資の考え方
IPOラッシュ時には、株価が上昇する場合と下降する場合のどちらも意識しておく必要があります。
それを踏まえて、IPOラッシュ時の投資の考え方について説明していきます。
プライマリー投資
IPOラッシュ時のプライマリー投資は、個人投資家にとって当選のチャンスです。
新規上場をする会社が多ければ多いほどIPOの申し込み先が分散され、その分当選する確率が高くなるためですね。
IPO銘柄は初値で売却するだけで利益が出ることが多いので、チャンスの多いIPOラッシュ時には積極的に申し込みをするようにしましょう。
また、資金拘束のタイミングが証券会社によってことなるため、ホームページなどであらかじめ確認しておきましょう。 プライマリー投資の抽選にハズレた場合は、セカンダリー投資にも積極的に参加しましょう。 IPO銘柄は初値をつけた後も株価が上昇するパターンが多いので、上場初日に購入してしまうのも手ですね。 注意したいポイントとしては、IPOラッシュ時には平時に比べて、株価の上昇が低調に終わる可能性があります。 IPOラッシュ時はセカンダリー投資を狙う投資家の投資先も分散されやすいため、そのせいで株価が上がりづらくなるためです。 とはいっても、やはり勝率の高いIPO銘柄ですので、企業の情報を吟味した上で、勝てる自身のある銘柄に投資をするようにしましょう。 今回は、IPOラッシュについて説明してきました。 ・IPOラッシュは年末におこることが多いが、景気によってタイミングがずれることも ・申し込み先が分散されるため、IPOラッシュ時のプライマリー投資の当選確率は高くなる ・IPOラッシュ時のセカンダリー投資は需要が分散されるため、銘柄選定に注意が必要 2021年は景気が回復してきたこともあり、多くの会社が新規上場を狙っています。 年末のIPOラッシュのために今からしっかり準備をして、ローリスク・ハイリターンの投資を楽しみましょう。セカンダリー投資
IPOラッシュ時には、積極的に投資をしよう
①株式市場が不況である
②設定された公募価格が高い
③他のIPO銘柄に投資先が分散し、需要が高まらなかった