「IPOに申し込んでもなかなか利益が出ない」
IPO投資でこのような悩みをお持ちの方は、オファリングレシオに着目してみましょう。
オファリングレシオは、初値がどれくらいで決定されるのかを予測するための重要な要素です。
これを理解せず、ただIPOに申し込んで当選したとしても大きな利益が得られるとは限りません。
当記事ではオファリングレシオの仕組みや、IPO投資を成功させるための活用方法をご紹介します。
どうぞご覧ください。
目次
オファリングレシオについて
IPO投資を実践している方の中でも、オファリングレシオを意識できていない方もいるのではないでしょうか。
ここではオファリングレシオや算出式について解説していきます。
オファリングレシオと算出式
オファリングレシオはIPO(新規公開株)において、発行済みの株式数のうちどれだけの株数を市場に放出するかを表す指標です。
ファイナンスの規模や、その銘柄の流動性を示す指標となっています。
また、オファリングレシオの算出式は以下の通りです。
全体として発行されている株式数のうち、市場に放出される株式数の割合をパーセンテージで算出する計算式です。
オファリングレシオを活用して高額利益を狙う
オファリングレシオは、IPOの高額利益を狙うためにどのように活用していけば良いのでしょうか。
ここでは活用方法や指標としての目安について解説していきます。
オファリングレシオの活用方法
オファリングレシオはIPOの需給関係がわかります。
公募価格で買える人が少なく、売りも少なくなるため、価値が高くなりやすい
→初値で高騰しやすい
公募価格で買える人が多く、売りも多くなるため、価値が高くなりにくい
→初値で高騰しにくい
オファリングレシオが低い銘柄ほど、株式流動性が下がるため希少性が高まります。
抽選では当たりにくいですが、もし当選できれば初値高騰も狙える可能性があります。
オファリングレシオの目安
過去に上場したIPOを見ると、オファリングレシオは平均で20〜30%程度であることがわかります。
これより、オファリングレシオが20%以下であれば低いとみなし強気に申し込み、
30%以上で事業内容的にも魅力がない銘柄は見送りを検討する、といった立ち回りをするのも高額利益を狙う一つの手と言えるでしょう。
→強気に申し込む。特に10%以下のものは初値高騰も狙えやすい。
30%以上
→事業内容など総合的にみて魅力がないなら見送りを検討
2020年IPOのオファリングレシオと騰落率
2020年に上場したIPOに対して、実際にオファリングレシオと騰落率を見てみましょう。
オファリングレシオが10%以下の銘柄、50%以上の銘柄の中から5銘柄ピックアップしてご紹介します。
2020年IPOでオファリングレシオ50%以上の銘柄
銘柄(銘柄コード) | オファリングレシオ | 初値騰落率 |
Retty(7356) | 51.2% | 36.53% |
きずなHD(7086) | 58.3% | -4.31% |
バリオセキュア(4494) | 59.4% | -4.44% |
雪国まいたけ(1375) | 51% | -4.55% |
ミクリード(7687) | 52.2% | -8.09% |
オファリングレシオ50%を超えると公募割れが目立ちます。
しかし、Retty(7356)のような有名で人気銘柄の場合、買いたい人が一気に増えてオファリングレシオが高くても初値が高くなる場合があります。
2020年IPOでオファリングレシオ10%以下の銘柄
銘柄(銘柄コード) | オファリングレシオ | 初値騰落率 |
タスキ(2987) | 6.5% | 655.22% |
Branding Engineer(7352) | 8.4% | 495.92% |
ニューラルポケット(4056) | 4.5% | 466.67% |
ENECHANGE(4169) | 7.6% | 300% |
アイキューブドシステムズ(4495) | 3.3% | 202.24% |
オファリングレシオ10%以下だと初値が高騰する銘柄ばかりになります。
上記5銘柄だと、どれも100株買っただけで初値売りで10万円以上の利益が出ます。
特にアイキューブドシステムズ(4495)は100株初値売りで、なんと63万円もの利益が出ます。
オファリングレシオが低い銘柄は非常に魅力的なものばかりと言えるでしょう。
しかし、中にはオファリングレシオが3%程度でも公募割れしてしまう銘柄もあります。
・オファリングレシオ3.2%
・公募価格750円 初値670円
・騰落率-10.67%
オファリングレシオだけを当てにせずに、業績や事業内容なども総合的に見て判断するようにしましょう。
まとめ
今回はオファリングレシオとその活用方法についてご紹介しました。
今まで闇雲にIPOに申し込んでいた方は、ぜひオファリングレシオを意識して銘柄を調べてみてください。
確率的にはオファリングレシオが低い銘柄ほど、初値が高騰しやすいと言えます。
しかし、オファリングレシオが高いからと言って必ずしも公募割れするとは限りません。
逆にオファリングレシオが低いからと言って、必ずしも初値が高騰するとも限りません。
オファリングレシオだけでなく、会社をしっかり調べて総合的に判断して申し込み、購入するようにしましょう。
オファリングレシオ=公開株/発行済み株式数 × 100